■ベンチマーキングとは 

 自社の経営力向上のために、日頃から「他企業のよい点は積極的に取り入れたい」と考えている社長は多いでしょう。

 すでに成功している企業の経営手法を参考にすれば、自社でゼロから考えるよりもスピーディーに成果につなげることも可能です。

 しかし、「もっと上手な商売や仕事のやり方はないかな」と漫然と探しているだけでは、自社に役立つ成功事例に出会う確率は低いでしょう。

 より効果的に成功企業の経営手法を取り入れるための、ベンチマーキングの手法について考えてみましょう。

 近年ベンチマーキングが注目されているのには理由があります。

多くの中小企業では、今もって従来型の目標設定である「対前年比10%の生産性の向上を図る」といった、過去の延長線上に目標が設定されます。

 しかし今まで通りのやり方で目標を設定していたのでは、経営の革新はできません。

今後、他社よりも優れた経営を行うため、迅速に経営に結びつけるスピードが大切になります。

 良い知恵をどんどん学んでそれを取り入れるベンチマーキングの手法が経営革新の近道になるとして注目されているのです。

 自社の課題解決のために、競合他社異業種企業の優れた経営手法(「ベストプラクティス」)を持つ企業を見つけだし、自社をその企業に近づけさせる手法のことをいいます。

 簡単にいえば、成功企業の優れている部分を自社流にアレンジして取り込むということです。

 ベンチマーキングとは、視察による表面的な「観察」に留まらず、なぜそれらができているのかという、理由やプロセスも含めて分析・研究しようというものです。

 また、ベンチマーキングは自社ですでに行っている事業の参考にするだけではなく、新規事業を行う際の重要な情報とすることができます。